火曜日嫌い

やまもとのブログです。

神保町花月「ぼのほの」

脚本・冨田雄大(オコチャ)
演出・足立拓也(マシンガンデニーロ)
出演
もう中学生・LLR(福田恵悟、伊藤智博)・少年感覚(久松大士、向坂匡喬)・山田あさこ・工藤史子
川原麻衣オスカープロモーション)・ソドム・すま/レギュラー(松本康太西川晃啓
あらすじ
僕は絵を書くし、犬はしゃべるし、お母さんは優しいし、
それにしても、今日は天気がいいのです。


以下は楽屋裏ブログを参考に加筆したものです。


【もう中学生班楽屋裏ブログ】(14)千秋楽!!
http://jimbocho.laff.jp/blog/2009/10/post-9030.html

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物語は夜から始まる。
今日も西村(少年感覚・久松)邸では、飼い犬のキャサリン(工藤史子)が
恋人である太郎(LLR・福田)を待っている。
太郎は直喜(もう中学生)の飼い犬。
キャサリンは太郎の前では精一杯可愛くいたい。お腹が鳴るなんて恥ずかしい。
毎夜愛を育む2人。
街には増えすぎた野良犬を処分するために保健所職員(レギュラー・西川、ソドム、すま)が目を光らせているが、太郎は直喜の気遣いで首輪を外してもらい、キャサリンに会いに行くのであった。
所変わって公園では、野良犬(レギュラー・松本)そして、捨て犬となってしまった放置犬(少年感覚・向坂)達を捕まえようと、保健所職員と死闘を繰り広げている。


「太陽さん、おっはよー!」
直喜は母親の信子(山田あさこ)と2人暮らしをしている心優しい若者。
1年前に“お星様”になってしまった父親と交わした「挨拶を忘れないこと」「男の子は女の子を守ること」という2つの約束を大切に守りながら毎日を過ごしていた。
直喜には、犬と話が出来る不思議な能力がある。そのためか、2人?は兄弟のように仲が良い。


レストランで料理を作る仕事をしている直喜は、仕事が休みになると公園で大好きな絵を描いていた。
そこへ美咲(川原麻衣)が現われる。
彼女は病気の子どもがいること、治療費に困っていることと直喜に話す。
美咲に淡い気持ちを抱く直喜。
直喜は、「女の子を守る」という父親との約束を守り、彼女にお金を用意するようになる。
太郎「…直喜は優し過ぎるんだよ」


時を同じく女と待ち合わせをしている向田(LLR・伊藤)。
しかし待てど暮らせど待ち合わせの女性はやってこない…。
ファッションはダサくて女を見る目がなくてナルシストな向田だが、
気持ちだけは熱く、直喜にとっては優しい先輩。


キャサリンが急に西村家からいなくなって、一週間が経った。
その間も毎日キャサリンの元に通っていた太郎。
一週間振りに姿を現したキャサリンは、いつもと様子が違っていた。
「…何かあった?」
「何で私が去勢されなきゃいけないの!?」
キャサリンは西村によって動物病院へ連れて行かれ、去勢手術を受けていたのだ。
キャサリン「自分の体も意思も自由にならない、女の子ですらなくなっちゃった」
「なんで勝手な都合で愛の未来を奪われないといけないの?」
「太郎との子供とか…考えちゃったんだもん」
太郎「愛の未来がない…じゃあ俺の未来もいらないや…未来がないなら、今だけ生きよう。」
手を取り合い、首輪を捨てて飼い主の元から逃げ出す2匹。
野良犬と放置犬も逃亡に手を貸す。
やがて2人は保健所に入れられる。


直喜は母親と共に必死で太郎を探した。心臓の悪い母親を気遣いながら、声を嗄らして太郎の名前を呼ぶ。
やがて直喜と母親は保健所に辿りつき、太郎と再会する。
再び会えたことを喜び、一緒に帰りましょう、と言う直喜に「帰ってくれ」と告げる太郎。
太郎「俺達、捕まったわけじゃないんだ…殺されに来たんだ」
直喜「…嫌です、嫌です、嫌です!一緒に帰りましょう!」太郎に縋って叫ぶ直喜。
太郎「わかってくれよ!今ならお互い愛の中で終われるんだよ!」
2人のやり取りを見ていたキャサリンが言う。
キャサリン「太郎、太郎は帰りなよ。
太郎、ありがとう。太郎のおかげで、私は女の子として死んでいけるから」
直喜「みんなで一緒に帰りましょう!」


そこへ西村がやってくる。キャサリンは西村に吠え掛かる。
彼は、キャサリンの気持ちを代弁する直喜に向けて、去勢したことの真意を告げる。
生まれてきた子犬の面倒は誰が見るのか?飼えないからといえ、
子供を生める状態の体で子供を生まないことも、キャサリンの体に負担を掛けることになる。
西村「保健所なんて、本来なくていい場所なんだよ!
どれだけの犬や猫が死んでいっていると思う?」
無責任な飼い主のせいで野良犬たちが増えたこと、
それによって多くの命が犠牲になってしまうこと、
飼い主としての責任なのでは?と…。
西村なりにキャサリンを愛するが故の行動だったと分かり、反省するキャサリン
直喜は太郎とキャサリンが今後も自由に会えるように西村にお願いをして、
それぞれの家へ帰ってゆく。


そんな中、直喜の母親、信子が倒れる。
病院へ赴く直喜。信子の主治医は西村だった。
「僕はね、死が大嫌いなんだ。…出来る限りのことはするよ」
心臓に負担がかかっていたと知り、自分のせいで信子を苦しめることになったのではないかと悩み苦しむ直喜。犬達は信子の無事と直喜のことを思い夜空に祈る。
街中にこだまする遠吠え。


信子は無事に退院した。車椅子を引いて、いつもの公園へやってきた。
向田は今日もツイていないようだ。
そこへ美咲が現れる。「美咲!」向田が声を上げる。
実は美咲は過去に向田から金を騙し取っていたのだ。
それでも直喜は美咲に金を渡そうとする。美咲は激昂。
「今の見てたら分かるでしょ!?あんたがちょっとバカそうだからからかっただけ!
病気の子供なんていないのよ!」
直喜はそれを聞いてほっとしたような表情を浮かべる。
「良かったです、病気の子供はいないんですね」
「あんた騙されてたのよ?」「病気の子供がいる方が悲しいです」
やり切れない気持ちで一人佇む美咲。
「ずっと一人で生きてきたんだから、騙してもいいでしょ!?
何でこんな気持ちにならなきゃいけないの…」
野良犬が声?をかける。「…一人は寂しいもんな。孤独に負けんなよ」
その後、美咲は向田を通じて直喜にお金を返し、向田とも仲良くやっているようだ。


直喜は母親に問う。「僕がいっぱい迷惑かけたからお母さんは病気になったんですか?
僕、バカだから、僕なんて生まれてこない方が良かったですか?」
母親はそんな直喜を優しく宥める。
「そんなことないよ、お母さんの一番の自慢は、直喜のお母さんだってことだよ。
ちゃんとお父さんとの約束守って、女の子を守るためにお金渡したんだよね。
お母さんだって、女の子だよ。お母さんのこと、守ってくれたじゃない。」
頷く直喜。直喜は直喜なりに、日々を生きているのだ。
直喜の側には太郎がいる。お母さんもいる。そして今日も太陽が昇る。


「太陽さん、おっはよー!」

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後半がぼんやりしててあんまり覚えてない…
「お母さんはどうして子供を産もうと思ったんですか?」
「お父さんはお母さんのことをいっぱい愛してくれました、
お母さんもお父さんのことが大好きだったから、
そうすると、子供が産みたくなるのです」というやり取りもあって、素敵だなーと思いました
直喜とお母さんが「〜です」「〜ですね」って会話するのがすごく和む


最初、“僕は絵を書くし、犬はしゃべるし、お母さんは優しいし、
それにしても、今日は天気がいいのです。 ”というあらすじがものすごくぼんやりしてて、
どんな話になるんだろう…と思いながら見たら思った以上にそのままだった。
絵を書いてたし、犬はしゃべってたし、お母さんは優しかった。
普段のもう中そのままのキャラクター。
チェックのシャツにオーバーオール、裾が少しまくれていて、スニーカーは色とりどり。
今まで神保町で見たもう中は「犬G」では殺し屋、
「友よ、静かに眠れ」では悪徳芸能事務所社長という裏のある役だったので、初めて天真爛漫なもう中が見られて良かった。
太郎に縋っての「嫌です、嫌です!」は、見てるこっちの胸が苦しくなるほどだった
後半は会場でずっとすすり泣きが聞こえてた
そしてまさかの「病気の子供はいない」メソッド。
これをもう中に言わせることで一気に場が浄化された。
チュン太郎とチュン次郎も特別出演。オープニングに出てきた太陽はもう中が作ったもの。


もう中主演ではあるんだけどセリフのかっこ良さで言ったら福田さんの方が場をさらっていた。
「未来がないなら、今だけ生きよう」とかかっこ良過ぎる…
どこのジェームス・ディーンだよ…
「今ならお互い愛の中で終われるんだ」って!へー!


福田さん、工藤さん、松本さん、向坂さんが犬耳・犬しっぽをつけての演技だったんだけど、
まあそのかわいいことかわいいこと…!
特に福田さんのふわふわした黒髪とくたっとした黒い耳に衣装も黒の上下がめちゃくちゃマッチしてて可愛かった…!
LLRのこと全然知らないから、今後福田さん見ても犬耳が見えてきそうで怖い。


直喜はいつも太郎の帰りを庭で待っていて、最後は2人で折り重なって庭で寝てるのだよ
もうそれがぶん殴りたくなるぐらい可愛くてねえ…
LLRともう中は同期なんだね、終演後の挨拶でも気の置けない関係なのが見て取れて楽しかった
甘ロリな工藤さんも舞台の上では太郎じゃなくてもメロメロになっちゃうぜってぐらい可愛く見えたのに、
パンフで見るとそうでもなかった。なんでだぜ!犬耳マジックだぜ!
松本君はお腹がポンポコリン。たぬき。
少年感覚は2人とも存在感あって良かった。


命の大切さ、愛し愛されること、ペットと人間の関係など、
テーマがたくさん盛り込まれていて、
それがファンタジーな世界観とうまく同居した見応えのあるお芝居でした
もう中って何なんだろう。もう中ばかりは信じたい。キャラだとか作ってるとか言わないで!