火曜日嫌い

やまもとのブログです。

椿屋四重奏ワンマンショー「熱視線Ⅳ〜ENDLESS GAME」@渋谷AX

安高さんの正式加入が発表された。


本当にクラッシュ・イン・アントワープが好きだった。
解散のメールが来たときも、信じられなかった。信じたくなかった。
一度しかライブに行かなかった。
他に好きなバンドがいたし、いつでも見られると思っていたから。
後悔した。こんなことになるならもっとたくさんライブに行っておくんだった。
そう思っても、その後のライブはすべてキャンセル。もう二度と見られない。


椿屋を聞き始めたのは、2004年の春頃。初めてライブを見たのは、その年のROCK IN JAPAN FES.だった。
そのどこからも拒絶されそうな異質な雰囲気に、たちまち興味を持った。


2005年6月、郡山での椿屋のライブで、サポートがいた、元CiAの人らしい、という話を聞いたときは、驚きのあまり笑いしか出なかった。
まさかここでその名前を聞くことになるとは思わなかった。
数日後の初ホールワンマン「九段心中」で、緞帳が上がった瞬間の衝撃を、私は一生忘れない。
もう聞くことはできないと思っていた人のギターを、好きなバンドのサポートとして聞ける。
その思いだけがいっぱいで、正直「九段心中」の記憶が曖昧だ。


夏フェスやワンマンツアーを通して、さまざまな批判はあれど、安高さんがどんどん生き生きしていくのが分かった。
私は、安高さんを完全に「元CiAの安高さん」として見ていた。
CiAが解散してしまったことによる気持ちの落とし所を、勝手に安高さんの中に見ていた。
だから、九段心中で中田が「安高拓郎!元クラッシュインアントワープ!」と紹介した時、すごく嬉しかった。
私の中のCiAがここで生きているんだと。
ライブに一度しか行かなかったことで、CiAに対する思い入れが、気持ち悪いほど凝り固まったものになっていた。


そして、今日。
「サプライズ」として発表されたそれは、客席の空気を見たらサプライズでも何でもないことは一目瞭然だった。
みんな、暖かかった。
中田は、始めは去年いっぱいのつもりで声をかけて、ツアー最終日横浜で安高さんをクビにするつもりだった、と話した。
これには驚いた。ツアー中の「霧雨日記」の雰囲気やライブでのやりとりを見て、そこに安高さんがいることが自然で、加入を前提にサポートとして迎え入れたのだと思っていた。
中田は、明日でクビかぁ、と考えると、途端に寂しくなってしまった。
最終公演日前日の静岡で安高さんをひとり呼び出し、「これからどうしたい?」と、意思確認をした、と。
安高さんの答えは、「やりたいです!」
この話を中田がしている時の、安高さんの満面の笑顔といったら。


中田はこうも言った。「やっちんは、椿屋四重奏に『楽しさ』をもたらしてくれた」


そして演奏された「プロローグ」で、中田と安高さんが向き合ってギターを弾く姿の頼もしいこと!


寂しくない、と言ったら嘘になる。安高さんは、「元クラッシュインアントワープ?サポートギタリストの安高拓郎」から、「椿屋四重奏安高拓郎」になった。
なんだか少し、寂しい。
もちろんこれからもずっとCiAは大好きだし、解散の時に受けた衝撃を忘れることもない。
今日が、自分の中でひとつけじめをつける日だ。


しかしそれ以上に、安高さんが加入したこれからの椿屋が楽しみでならない。
おめでとう安高さん。
ありがとう中田。


ライブは素晴らしかった。今まで見た中で一番良かった。
まだまだこんなに変化するのかこのバンドは。
3曲の新曲もそれぞれ違った趣で、6月7日にシングルとして発売される「幻惑」、
ちょいとアーバンな「トーキョーイミテーション」、ハードロック魂が冴え渡る「サイレンス」と、早くも音源化が楽しみ。


安高さんからのコメントが公式に掲載されています。
http://www.ukproject.com/tsubakiya/headline.html


本当に本当に今日は良い日だ。

おやすみなさい。