火曜日嫌い

やまもとのブログです。

OGRE YOU ASSHOLE@渋谷CLUB QUATTRO

こんなに開演前に緊張したのは久々だったなあ…
昔はいつもライブの前になると何も喋れないぐらい緊張してて、ただの観客なのに
満員のクアトロでフロアに埋まりながら、ひたすら緊張して開演を待ってた
その緊張が気持ち良くて、始まる前から足の裏がムズムズして仕方なかった
暗転するとお客さんがぐっと前に押す。その隙にエアポケットみたいな場所に収まる。


「ひとり乗り」からの「知らない合図〜」で一気に引き込まれる
見えない手に後ろから押されているみたい
お迎えが来てしまったような幸せな気持ちになる、この曲を聴いている時なら筋斗雲に乗れる気がする
「なだらかなんだ」が本当に気持ち良くて、目を瞑って、音だけに集中していると、
ここが渋谷なのか、布団の中なのか、ぬるま湯に浸かっているのか分からなくなって、
体温と同じくらいの温度の柔らかいものにすっぽりと包まれているようだった


「馥郁」とは香りに対して使う表現だけど、オウガの音はその言葉がぴったり
「ふくいく」っていう発語感も好き。口の中でころころ転がる感じ。
ずっと歌詞を追いながら見てて、そうやって口の中で歌詞が転がるのがまた気持ち良かった。
ぐっと詰まったお客さんは、ゆるゆると揺れてる。


出戸君の声が持つ説得力が格段に増してる
どんなにバンドの音が前に出てきても、決して声が負けることがない
頭のてっぺんから出ているような声が、空間を埋め尽くしてぐるぐるうねる
やっぱり長尺のライブはいいな
相変わらずところどころでアンサンブルがよたったりリズムが噛み合わなかったりしてたけど、
うまく嵌ったときの圧倒的な景色は筆舌に尽くしがたい
音楽ってなんて無限なんだろう


「サカサマ」で何故か今まで見たオウガが走馬灯のようにフラシュバックしてきて、
あれ?私このまま倒れるんじゃないかしらと思ってたら
終盤の盛り上がりで泣きそうになってしまってびっくりした。
ノリ君のベースの音がくっきりと聞こえる。


「今日は僕たち史上で一番長くやってやろうと思っています…でもそんな大したことないけど」
喋ると途端に声がヘタる。一回バンド名噛んでた。
「地元のスーパーで会った友達に「バンドやってる」って言ったら「まだそんなことやってるのか」
みたいに言われて何も言い返せなかった、相手はスーツ着てたから…
その時は言えなかったけど、僕たちちゃんとバンドやってます!
スーツ着てたから言えなかっただけで…今日こんなたくさんの人の前でそれを言えたので満足です」
未だにそういうこと思うのか…
「今回のTシャツは、僕らにしてはいつになくオシャレです」
出戸君が話してる間、メンバーは基本的にニヤニヤしている


中盤の「ドーナツ」でギアチェンジして、真っ赤なライトが咲き乱れる後半へ
「J.N」ぐらいから少しずつ拳が上がったり歓声が上がったりするようになる
馬渕さんのギターが艶をもって響く
何度も聞いた曲だけど、聞くたびに毎回びっくりする。
黄色いメダルを川に捨て か くざいをひろったっ!とか
め!のか!くり!って!い!ったい!なーんだい!とか歌ってる人が
さっきまでの人と同一人物なんてね
真っ赤なライトに照らされて長い前髪の奥から見える出戸君の目はあくまで平熱


アンコールに2度応え、最後の最後に「また明日」
ああ、もう終わっちゃうよ、寂しくて寂しくて仕方なかった
音が止んでもしばらく耳の中に残った音や焼きついた色を反芻してた
良いワンマンでした。すばらしい。確実にオウガは変わり続けている。


1.ひとり乗り
2.しらないあいずしらせる子
3.なだらかなんだ
4.カポ
5.フラッグ
6.バックシート
7.サカサマ
8.おまじない
9.コインランドリー
10.ドーナツ
11.J.N
12.ロボトミー
13.どっちかの角
14.アドバンテージ
15.ラムダ・ラムダ・ラムダ

EN-1-1.辺りはここ
EN-1-2.かたっぽ

EN-2-1.マスク
EN-2-2.また明日


幸せな2時間弱だった。
オウガに出会えて良かったなあ。
「レール」やってください!「レール」!


昔のライブ感想読んでたら、頻繁に「出戸君の前髪の向こうの目が…」って言ってて、
どんだけ同じこと言ってるんだと思い赤面しました