火曜日嫌い

やまもとのブログです。

神保町花月『ツノ』

脚本 押見泰憲(犬の心)
演出 堀江B面(THEフォービーズ)
出演 ゆったり感、ものいい、勝山梶、パンサー、しんじ、ドイツみちこ、大山貴華

あらすじ
父親が家を出て、母親が亡くなってから弟の「次郎」(パンサー向井)と二人で生きてきた「田中太郎」(ゆったり感中村)。
母親の彼氏である「立川」(ものいい横山)も同居しているが、会話もなく関係性は希薄。
何にも興味を持たず感情の起伏のない現代っ子の次郎は、この家を出て一人暮らしをするつもりだと言う。


ある日、太郎は立川の頭に生えている「ツノ」に気付く。
思い悩む太郎は、mixiで知り合ったオカルト好きの「みなみ」(ドイツみちこ)、織田(勝山梶勝山)、
そしてツノが見えるという「近藤たけし」(ゆったり感江崎)と一緒に行動するようになる。
たけし曰く、「ツノ」が見えるのは三か月以内に死んでしまう身内。


そんな中、立川がガンで余命三か月だと太郎と次郎に告白。
「父親らしいことをしてあげられなくてごめんね」と詫びる立川。
それまでまるで空気のように立川と接してきた二人は、後悔と自責の念に駆られる。


チンピラの「山口かずよし」(ものいい吉田)や森しん(勝山梶梶)に翻弄されながら、
風変わりなホームレス(パンサー菅)や悪友の桜田じゅん(パンサー尾形)の助けもあり、
太郎は「ツノ」の意味を知っていくことになる。


立川は亡くなってしまった。
次郎は言う。「たぶん、愛だよ。」
「ツノ」は愛。
「ツノ」が見える人は、自分を愛してくれている人。


集った仲間達。たけし、じゅん、織田、みなみ、太郎、そして次郎にも。
みんなの頭には、「ツノ」が生えていた。


ホームレスの元にも、「ツトム君」(しんじ)というツノの見える相手が、「君のために下水道から戻ってきたよ!」
二人のラブラブショットで劇終。


おいしいところ持って行くなあ、しんじさん…w


最初からセットとしてあった背景の「ツノ」が、最後には「愛」の象徴に見えた。
しんじさん以外ほとんど個々のキャラも知らない状態で見たので、新鮮な驚きがたくさんあった。
横山さんが余命いくばくもない初老の役を違和感なくこなしていたり、
パンサーが3人ともとても芸達者だったり。
太郎と次郎の兄弟の会話がすごく自然で、向井さんの可愛らしいルックスと小生意気な物言いが本当に「弟」っぽかった。
菅さんの役はアウターゾーンで言うところのミザリーみたいな立ち位置で、
時には惑わしてみたり時には道標を示してあげたり、唐突にスポットライト浴びて歌いだしちゃったり、
一番「遊び」の部分を担っていたいい役だった。
吉田さんと梶さんがド腐れな役だったので印象も薄かった。
勝山さんはもう少し出番があったらもっと面白くなりそう。