火曜日嫌い

やまもとのブログです。

OGRE YOU ASSHOLE"ピンホール"Release Tour@渋谷CLUB QUATTRO

拳を上げたり飛んだり跳ねたりする人がほとんどいないにも関わらず、
客電が落ちるとぐぅっと皆前に押し寄せる。
勝浦さんの髪が伸びてトレンディ俳優みたいになってる!と思いつつ馬渕さんを見たら、
こっちは髭が伸びて毛だるまのようになっていた。
ノリ君も出戸君も髪伸び放題。


「今日はツアーファイナルってことで、ファイナルらしい演奏をしたいと思います」
ロボトミー」や「どっちかの角」といった初期の曲が新鮮に聞こえたのは、
どこか演奏が曲に引き摺られていたのが、ここに来て追い付いたのかなあと思った
音も、間や空気といったステージングの部分についても、明らかに意識的になってる
MCにさえ一抹のふてぶてしさを感じる始末。


「ピンホール」でスコーンと突き抜けた後の「ドーナツ」がぬめぬめと気持ち悪く、
勝浦さんのドラムが無表情にループするリズムを鳴らし続ける
「ドーナツ」は何回聞いても居心地の悪さというか、背中が泡立つ感覚が薄れない。
そのアウトロからタン・タン・タン・タンと4つ刻んで「ラムダ」へ流れたのが良かった。
そこに繋げて「レール」!
前回のワンマンでは演奏せず、その後のイベントでやるようになったこの歪な曲を、
「ラムダ」の後に続くフックとして演奏してくれるのは凄く嬉しい


「『蒼天航路』ってアニメでさっきの『ピンホール』って曲が…
こう、雲と一緒に流れてるんですけど、
すごいばっさばっさ人が切られてて、そんなアニメのエンディングであんな…爽やかな曲が流れて。
『僕がこんな曲書いたんだなあ』って、不思議な感じです。
なかなかない経験をさせていただきました」
「ファイナルらしい演奏だったでしょうか」


アンコールは「ボート」「ネクタイ」
「ピンホール」の影に隠れて、オウガの…言うなれば“さんまの苦いところ”のような曲
「ネクタイ」の地に足のつかない…ダイラタンシーのようなぐにゃぐにゃとした感触がたまらなかった
※ダイラタンシー=ドロドロの粘性のある液体ですが、手でぎゅっと握りしめると固くなります。
 そしてその手をゆるめるとドロドロに戻ります。
 表面を素早くたたくと固い固体のようですが、
 手を乗せたりゆっくりと押すとドロドロとした液体のようになります。


この物体がオウガの音に似てるなあと常々思っている


セットリストは名古屋・大阪と同じらしい。


1.コインランドリー
2.フラッグ
3.知らない合図知らせる子
4.J.N
5.サカサマ
6.ロボトミー
7.どっちかの角
8.アドバンテージ
9.かたっぽ
10.また明日
11.ピンホール
12.ドーナツ
13.ラムダ・ラムダ・ラムダ
14.レール
15.ひとり乗り


EN-1.ボート
EN-2.ネクタイ


2時間弱とワンマンにしては短めの公演時間ながら、満足度の高いライブだった
アンコールの拍手も控えめで、客電がついたらさっさと帰るし、相変わらず非常に淡白なお客さんでした。

ナタリーの電話ズ石毛&魚クション一郎さんとの三者鼎談を読んで、
世代の中のポジションとかちゃんと意識してんだなあ、というアホみたいな感想を持つ
最初は輪郭のないヘドロみたいな状態だったものが、
他者との衝突と爆発を繰り返してだんだん人の形を成してきた。