火曜日嫌い

やまもとのブログです。

ハグレ_スタンダード第一回公演「砂漠人魚と盗人王子」@王子小劇場

松本キック/小池利明/音室亜冊弓/金子瀬里菜/宝田雅資/篠崎祐樹/花田真希
渡部和正(欽ちゃん劇団)/南口奈々絵(劇団ショーマ)/川口総司


タイトルからは想像もつかない、シビアでリアルな物語だった。
物語というかこのお芝居そのものがメッセージになっていた。
劇中で繰り返されていた復讐、という言葉より、人が持つ罪についての描写が生々しかった。
まさか「あの場面」がモチーフとして使われるとは思わなかったので、瞬間心臓が掴まれたような気がした。
白鯨、銛、地下水脈、砂漠、掘ること、ひとつひとつが象徴的なキーワードになっていて、
後半でそれらの言葉が指す本当の意味が分かった時はつっかえてたものがすっと取れた。


それでも断片的な場面が多かったので、ずっと考える。
加藤マサオは特別な人間でもなんでもなく、この世界に生きる一人に過ぎない、
私達もずっと掘り続けなければいけないのではないかと思った。


キックさんが泣いているように見えた。
声を荒げて言葉を吐くキックさんは鬼気迫るものがある。
でも相変わらず滑舌が悪かった。カミカミ!だがそれがキックさん
ところどころに小ネタを挟んでくるから、笑っていいものか分からず困った。
言問(こととい)っていう響きが好き。