火曜日嫌い

やまもとのブログです。

People In The Box@渋谷CLUB QUATTRO

ミニアルバム「Bird Hotel」のレコ発ツアーのファイナル。
溢れんばかりの超満員。
焚き染められたお香の匂いが場内を満たして、ぴりっとした緊張感の中で迎えた開演。


波多野さんの朗読で幕を開ける。
手にした紙に目を遣りながら、散文のような物語のような言葉を紡ぐ。


丁寧な音と独特な言語感覚で、まるで物語の中に迷い込んでしまったようなふわふわとした不思議な感覚に陥る
じっと聞き入って、その世界に浸って、言葉を一度自分の中に降ろして、とやりながら聞いていると、
帰って来られなくなりそうで慌ててステージ上に意識を戻すことを繰り返していた。


とにかく眠くて(当然か)、まどろみながらあの音に溺れている状態がまた良かったな。
波多野さんの声って、ちゃんと芯があるのに柔らかくて繊細で耳に残る。
それを包む大吾さんのはっきりとしたドラムと福井さんのしなやかなベースが心地良い。


途中でベースがトラブって、ぽろぽろギター弾きながら「…こういうトラブルは大好きなんですよ…」
こんな日にこんなにたくさんの人がピープルなんとかを見に来てることが一番のトラブルです、って。
福井さんに「…あと何秒?」「秒じゃなきゃダメ?」「分でもいいよ」「…2分」
ちょっと逡巡して、「『一度だけ』やろうか」と、急遽やってくれた。


MCで「今日で『Bird Hotel』が完結します」と言っていた。
音源を出して、それを聞くリスナーがいて、ライブをやって、お客さんがそれを見に来ることで完結した曲達。


「僕は音楽の力を信じていて、きっと皆さんもそうだと思うんですけど」
「今日は本当に…フランス語で言うと、『メルシー』って気持ちです」「なんでフランス語で言ったの!?」


朗読
1.完璧な庭
2.ユリイカ
3.見えない警察のための
4.レントゲン
5.海抜0m
6.昏睡クラブ
7.6月の空を照らす
8.She Hates December
9.一度だけ
10.ブリキの夜明け
11.サイレン
12.犬猫芝居
13.月曜日消失
14.泥の中の生活
15.水面上のアリア
16.はじまりの国
17.ペーパートリップ
18.ヨーロッパ


EN1-1.新曲
EN1-2.Alice


EN2-1.鍵盤のない、


聞き始めたのこの半年ぐらいだし、思い入れがあるわけじゃないけど、
1曲1曲が美しく、綺麗で、ところどころ残酷で、心の深いところを浚っていくような、
贅沢な2時間だった。
不思議なバンド。幻想と肉体の間を行ったり来たり。
こんなに世界観が明確なバンドもなかなかいない。
波多野さんのキャラクターも面白いし…
線の細い男子が白シャツで声を振り絞って儚げな歌を歌ってるんだもの…引っ掛かるよ ね …