火曜日嫌い

やまもとのブログです。

色即ぜねれいしょん

月に一度のホーネンさんご開帳の日、鳴り響く「ホーネン!」コールの中、
居眠りをしながら初恋の恭子ちゃんとのロマンスを夢に見る。
文化系は学校生活を謳歌するヤンキー系の影に潜み、
どっちつかずの中途半端なポジションで、日々妄想して悶々とするばかり。


深夜ラジオに恋の相談。ラジオネームはディラン。
「一言『好きだ!』と書いて送れ!」という言葉を真に受けて、ハガキを投函。
これで俺も変われるんだ!と舞い上がるが、後日バスの車内で「こういうイタズラやめてくれる?」とハガキを返却されてしまう。
恋ってやつはうまくいかない。
趣味はギターを弾くことで、オリジナル曲も作っているけど、人に聞かせようとは思っていない。
ギターはモーリス。モーリスのギター。
モーリス持てばスーパースターも夢じゃない!CM懐かしいな。


「フリーセックスの島、行かへん?」という誘いをきっかけに、初めて友達同士で旅へ出ることになった。
ユースホステル」の言葉に「ホステスとかはちょっと…」と尻込みする純。純かわいいよ純。
「旅やな」「おう!」夜汽車とフェリーの男3人旅。

宣伝用写真にあるような純、オリーブ、ヒゲゴジラ、ヒッピーと父親、母親が一堂に会するような場面はなく、
ヒッピーは京都でのシーンだけ。
ある日両親が決めてやってきた家庭教師。純のことを「ボン」と呼ぶ。
「ボン、音楽は武器やで」という最高のセリフを吐いている。
ヒゲゴジラ全共闘での闘いに空しさを感じて隠岐島へやってきた。
皆で歌った「旅に出てみよう」というオリジナル曲のレコードを3000円で純達に売ろうとする。
「さよならだけが人生だ」と言いながら、純達が島を離れる際には船着場から海へ飛び込んでまで「さよなら」を繰り返す
オリーブは京都の女子大生。ルックスもスタイルも性格も良くノーブラで、浜辺では真っ白いビキニ。
しかもうっすらと陰毛が透けている。
この時の手を振りながら向こうから駆けてくる姿が微妙にドン臭そうなのがかわいい。
オリーブのために曲を作ると約束したのに、ある日予定より早く島を出てしまった。
追い掛ける純。声の限り叫ぶ。「オリーブ!」船から「フリーセックスー!」と叫んで別れを惜しむオリーブ。


話はとてもゆっくり進む。
隠岐の景色が綺麗で、それを眺めているとこちらまで経験したことのないはずの「童貞の夏」へトリップしたような感覚に陥る。
映画を見ている間、胸がつぶれそうな程の感情でいっぱいだったのは、
単に私が大知に萌えているだけかと思ったけど、たぶん私の中の「童貞」が疼いていたのだと思う
女の中にも、「童貞」をこじらせてしまった人達がいっぱいいると思う。それは処女性とは違う。


京都で再開したオリーブはもうノーブラではなく、言葉遣いの丁寧な女子大生のお姉さんだった。
恋焦がれるヒゲゴジラに会うために隠岐島へ行っていたと告白され動揺する純。
ラブホテルに行こうだの今日から付き合うだのと振り回され、鴨川の河川敷で純にキスをして風のように去っていった。ファーストキス。女の子はわからん。
オリーブはエロくて、わがままで、謎だらけだけど、かわいい。


文化祭の季節。
ヤンキーたちのバンドでギターを弾くことになっていたけど、ひとりでステージに立つことにした。
初めて大勢の人前で自分が作った歌を歌う。「音楽は武器やで」というヒッピーの言葉。
ヤンキーたちのバンドは、かっこ悪いけど、めちゃめちゃおもろかった。それがロックなんだ。
ボブ・ディランのレコードを貸す約束をした。法然高校始まって以来、文科系とヤンキー系が手を組んだのだ。


親族の死より、葬儀屋のお姉さんのスーツの胸元の方が気になる。
お焼香の最中も、この先自分はセックスをすることはあるのだろうか、あるとしたらどんな顔をしてするのだろうか、そんなことばかり考えている。
ホーネンの教えではこの世は「色即是空」というものらしい。
いろいろなことが少しずつ変わってゆくけど、来年の夏もまたあの僕達の楽園、隠岐島へ行けたらいいなぁと考える。
そういうお話。見た後にふつふつと残る余韻が心地良い青春グラフィティ。
未だに悶々としている人、悶々とした時代を通り抜けて来た人達にはうってつけの成長期映画でした。


これ黒猫チェルシーのライブを見る前に見たかったなぁ!
映画の中の可愛らしくて悶々としてる「純君」を見た後にあのライブを見たらとんでもなく衝撃を受けたと思う
唯一、文化祭のシーンでの歌い方がバンドでの姿を彷彿とさせる程度で、あとは本当に自然。
スクリーンの中の大知がそれはもう胸が痛くなるほど可愛いので、アラサーは映画館で悶絶してしまいました。
若いって素晴らしい。
文化祭のシーンで黒猫メンバーも70年代ファッションで出演してた。


エンドロール、文化祭で純が1曲目に歌った「エロチシズム・ブルー」でブルースハープを担当していたのが
百々だった。その他のメンバーも超豪華。
サントラ欲しい。